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「日・タイ友好マングローブ植林2000」ニュースレター No.2

プアン・カン(友達同士) プアン・カン
(友達同士)
発行日: 平成12年10月31日
発行者: 服部達雄
(タイマングローブ植林実行委員会・委員長)
編集者: 池上恵理・井川良子・三枝信子(同・編集委員会)
Web版作成: 竹村登

 秋の味覚が選り取りみどりの季節となりました!ごちそうの消化にフル稼動ばかりしてもいられず、そろそろタイに向けて、みなさんの気持ちも高鳴りつつあるのではないでしょうか?
毎年この時期になると、植林活動を軸に1年が動いているような気がします。初めて参加する人にとっては、今回の植林が新しい1年の幕開けになるかもしれませんね。そして、これからどのように発展していくのか楽しみですね…。皆さんの環境問題に対する取り組み、想い、意気込み…等々、現地の子供たちと一緒に元気いっぱいぶつけてみてください!!
今年も皆さんで「日・タイ友好マングローブ植林 2000」を素晴らしいものに導いていきましょう!!
 以下、「日・タイ友好マングローブ植林」の推進母体ともいえるSDGF(地球緑化行動研究会)会長・新田教授にお話を頂きました。
【マングローブ植林と温暖化対策】
電力中央研究所・四日市大学環境情報学部 新田義孝
 地球温暖化により、あと100年もすると海水面が50センチメートル上昇するという。
 それを知識として持っていても、100年かけてコンクリートの壁を60センチメートル築けばよいではないかと暢気なことを言ってはならない。あと20センチメートル上昇するだけで飲料水を確保することができなくなる島嶼諸国のことを忘れてはならない。それに、大陸にある大河川では河口域に肥沃な農業地帯があり、また人口過密な大都市も集中している。大河川ではとくに河口付近での落差がわずかであるから、海水面が20センチメートル上昇するだけで、数十キロから百キロメートル以上も海水が遡上して地下水に塩害が発生する。飲料水と農業用の地下水を駄目にしてしまうのだ。
 温暖化は台風やハリケーンを勢いつける。温暖化により海水が蒸発し易くなる。水蒸気は空気より軽いから上昇気流が発生し易くなる。よって台風の頻度と強さが増す。高波の頻度も増す。これを防ぐ殆ど唯一の手段がマングローブ林による壁つくりであろう。高波が押し寄せてもマングローブ林なら防ぐことが出来る。塩をかぶっても耐えられるからだ。
 将来そういう研究をする人が現れるなら、マングローブ林は地下水に塩水が浸透するのを防ぐ機能を持っているかも知れない。すくなくとも、ある面積以上のマングローブ林は背後の降雨量を増やす効果があると言われている。これは人類の生存にとって貴重である。
 以上のようなマングローブ林の温暖化対策効果を考えながら植林を楽しんできて下さい。
 安全第一、持続可能な成長第二。そんな植林活動でありますように。

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