プアン・カン−日・タイ友好マングローブ植林2001 ニュースレター No.2
INDEX Page 1 Page 2 Page 3  

マングローブを訪ねて(シンガポール、マレー半島・マラッカ)
山本 勇(実行委員)
(住友海上リスク総研)
   「シンガポール マングローブ ガイド」(シンガポール科学センター 1999発行)には、「マングローブ mangrove」は、マレー語の「マンギ・マンギ mannggi-mannggi」から生まれた言葉であろうと書かれている。
 昨年9月下旬、遅い夏休みを兼ねて、シンガポールとマレーシア・ラッカのマングローブを訪ねた。
 19世紀の初頭、シンガポールの内陸部は熱帯雨林に完全に覆われ、海岸線のすべての入り江でマングローブが発達していた。マングローブと熱帯雨林の間には淡水湿地帯が広がっていた。当時、熱帯雨林はシンガポール面積の82%を占め、マングローブ林は13%、淡水湿地帯5%と報告されている。現在のシンガポールでは、天然の熱帯雨林はもはや0.2%にすぎず、熱帯雨林といえどもほとんど二次林となっている。マングローブ林は0.5%、昔の約30分の一に減少している。
 通常のシンガポール観光旅行ではマングローブを目にすることはできないが、その気になればマングローブツアーは可能である。「スンギー・ブロー(Sungei Buloh)自然公園」と「パシール・リス(Pasir Ris)公園」のマングローブは保護・整備されており、児童・学生に対する自然生態系を中心とした環境教育に活用されている。
 マレー鉄道のシンガポール始発列車は午前8時に中央駅を出発する。ホテルから駅までの事情がわからないので早めに駅に行くと人気は殆どなく、シャッターは閉まったまま。そこに物凄いスコールが降ってきた。後で知ったことであるが、シンガポールでは決まった様に夜明けと共にスコールが来る。中央駅を出発した列車はすぐにジョホール海峡にさしかかり、海峡を渡るとマレーシア入国手続きのため国境駅に止まる。停車時間は乗客数により大きく異なる。麻薬取締りのため、鎖に繋がれた巨大なドーベルマン犬がホームでこちらを睨んでいる。
 めざすは石油タンカーの往来やフランシスコ・ザビエルで有名な「マラッカ」のマングローブ、列車でおよそ4時間の旅である。マラッカという列車の駅は無く、最寄り駅は海岸から山間部に30km入った田舎町「タンピン」である。シンガポール〜タンピン間の車中では熱帯雨林を期待していたが、ほぼすべてゴム林に変わっていた。マラッカは美しい港町をイメージしていたがレゾート開発をめざした海岸線の埋め立てが進んでいた。必死にマングローブを探したが殆ど見当たらず、偶然に流れ着いた胎生種子が発芽し、数えるばかりのマングローブが育っていた。マラッカの海岸にマングローブを植林すれば間違いなく立派に育つだろうとの確信だけがせめてもの収穫であった。マングローブ植林を待ち望んでいるかのように多くのトビハゼが泥に群れていた。その大きさは長さ30cmほど、人の腕くらいもある大きなムツゴロウ。見ていない人は誰でも信用できないだろう。  (H13.6.24)


Prev. Page Next Page