プアン・カン−日・タイ友好マングローブ植林2001 ニュースレター No.3
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マングローブの基礎知識
海水でも育つ不思議な木『マングローブ』
 
  マングローブとは、熱帯・亜熱帯の干潮河川域(干潟のような海岸や河口で潮が引くと陸地となるところ)に分布する樹木の総称です。種類としては全部で120種ほどあると言われています。
 世界でも東南アジアに最も広く分布し、また種類も豊富です。日本においては沖縄県が主な分布地で、西表島仲間川のマングローブ林は見事です。また、南伊豆では最も北限に成育するマングローブを見ることができます。

 マングローブを見て真っ先に目に付くのは特異な形をした根です。幹から地面へ向かってタコ足状に張り出した根(支持根)、幹の根元から板状に出た根(板根)、地上数十メートルから垂れ下がっている根(懸垂根)、膝を折り曲げたような形で地中から出ている根(膝根)、地面から伸び出しているアスパラガスのような形の根(直立根)など、陸上の植物とは似ても似つかない根がマングローブ独特の外観をつくりだしています。支持根や板根は軟弱な泥湿地のなかで樹体をしっかり支えるためです。膝根や直立根などの地上に露出した根を気根と呼びます。海水に浸される土の中は完全な嫌気状態(酸素がない状態)になっていて、根は呼吸できません。そこでマングローブは根が呼吸するための工夫を凝らしているのです。

マヤプシキの気根
オヒルギの膝根 オヒルギの膝根


 マングローブには普通の種でなく胎生種子(木に付いているときから根を出す)で殖える種類が多くあります。この根は普通に見られる根と異なり胎生芽と呼ばれます。帽子(ガク頭)の中に発芽部(幼芽)があります。成熟すると胎生芽は帽子から抜け、地上に落下します。泥地に落ちればそのまま泥に突き刺って発芽を始めます。海水に流されたものはカニ穴などの安定したところにひっかかり定着して発芽を始めます。海水が干満するところで発根し、短期間で根付くための工夫に感心させられます。


 マングローブは、海水の中でも育つできるように特別な仕組みを持っています。体内に人った塩分(NaCl)を葉の細胞内で濃縮し、塩類腺からNaClの結晶として排出するもの、葉に塩分を蓄積し、定期的に落葉することによって塩類を排出するもの、根に塩分の侵入抑制機能を持ったものなどがあります。

 なお、次のHome Pageに「マングローブについての解説」が掲載されています。参考にしてください。
(1) World Nature Network:こねっと・ワールド/「海の森」マングローブ
http://www.wnn.or.jp/wnn-s/s_mang/s_mang.html
(2) アクアマリンふくしま:生きもの情報;生き物紹介シリーズ「マングローブ」
http://www.marine.fks.ed.jp/ikimonoshokai/mangrob/mangrove.htm
(3) 西表島竹盛旅館ホームページ:西表島のマングローブ
http://www12.big.or.jp/~takemori/mangrove/index.htm

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